助けられなかった鳩

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クリスマス前。通勤ルートにある鳩の多い公園の側を歩いていたら
歩道にうずくまっている一羽と、その前にしゃがみこんでいる男性の姿・・・。

内心「ターーースケテーーーー」と思いながら、人波と一緒に近づいていくと
男性はしきりに鳩に話しかけたり、移動させようとしている様子でしたが
やがて諦めたのか、立ち上がって歩き出しました。
尚も振り返り、振り返りしながら去っていく男性と、近づいて来る現場。
鳩のまわりには羽が何本か散っていて
「自転車に轢かれたか、猫か犬にやられたかなー、どうしよう」と思いつつ
一度は横を通り過ぎたのですが、このまま去って会社に着いても
どうせ永遠にぐずぐずと気になるに違いないと考え、思い切って引き返しました。

野鳥は原則として捕獲や飼育が禁止で、中でもカラスとドバトに至っては
傷病鳥として行政が保護する野鳥の対象外(害鳥とみなされる)ということもあり
自分に出来ることは、歩道の真ん中から植え込みなどに移動させるくらいかなーと思い
うずくまっている鳩を、両手でそっとつつんで持ち上げたところ
人間につかまってびっくりしたのか、豆鉄砲のようなびっくり顔に
心臓の鼓動がトクントクンと手のひらに伝わって来ました。

鳩の体温のぬくもりと、しっかりとした心臓の鼓動に、ぬおーっとなりながら
少しでも安全そうな場所はないかと、あたりをウロウロしたのですが
散歩中のご婦人も「この公園は犬も猫もいっぱい来るからどこもだめよー」との言葉。
だめだ、安全な場所なんてどこにもない。
鳩の様子から長くなさそうな気配もあり、この公園に置いて悲惨な死に方をするよりは
温かいところで段ボールの中で、静かに命を終えたほうがまだましだろうと思い
持っていた洗濯ネットに包んで会社まで持って行くことにしました。

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上司と同僚の呆れ顔の中、鳩を段ボールに入れて暗くしておくこと数時間。

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何度か箱を覗くと、目を閉じているもののそのままの状態でうずくまっています。
ためしに、ストローに少し温かい水滴をつけてくちばしの近くに持って行ったところ
なんとくちばしをストローの中まで突っ込んで、すごい勢いで水を飲みます。
あれー?と思って、紙コップをお猪口にカットして水を入れて差し出すと
それはそれは、もうごくごくというような激しい飲みっぷり。

大変だ!予想外だ!と思い、ネットで検索して応急餌としてコンビニでパンを買い
パンを与えてみると、こちらも白色レグホンを思わせるような激しい食いつきっぷり。

ひょっとして持ち直すんじゃないの?えらいこっちゃ!とまたネットで検索して
とりあえず公的な管轄の窓口に電話連絡で指示を仰ぎました。
お返事としては、予想通り「ドバトは保護・治療の対象外なので
こちらで引き取ることはできず、元いた場所に放鳥して欲しい」とのこと。
せめて体調が回復するまで、数日保護することもだめだろうかと聞いたところ
放鳥前提で1日2日くらい回復を待つという程度なら・・・。というお返事。
(自治体によって対応が違うかもしれませんので詳しくはお住まいの管轄窓口へ)

あわあわしながら猫ボランティアのKさんに電話して
鳥を診られる病院についてお話が出たので
傷病鳥の野鳥を診ている病院を探して連絡してみました。
有り難いことに翌日診察していただけることになり、その日は自宅に連れて帰りました。



ただ、鳩はクリプトコッカスという真菌を持っていて
特に免疫機能の弱い(HIVや猫エイズ)の人や、犬・猫に感染の危険がありますので
鳩と密に触れ合う場合や、自宅に入れる場合などには注意が必要です。
獣医さんのお話では、呼吸器の弱いポンコにも鳩は良くないとのことでしたので
うちでは鳩に提供できる場所はトイレしかなく、弱めのペットヒーターを敷いて
羽や糞が散らないように段ボールの中にいてもらい、時々餌と水を与えては
フンが乾く前にティッシュごと全撤去という世話をしておりました。

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猫から鳩を守り、クリプトコッカスから猫を守るため
私に用意できたのはトイレの一角だけ・・・。
集合住宅なのでベランダにも置けず、ごめんよー。

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温かくして餌と水を充分に与えていたら
保護時よりは元気になったように見えました。


可愛かった豆鉄砲顔。

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一夜明けて、病院へ連れて行く道中では
もはや箱の中でバタバタ羽ばたくくらいになっていたので
回復するかもと祈っていたのですが、好意で預かってくださった病院で
残念ながら、まもなく力尽きてしまったとの連絡がありました。

レントゲンでは左足が真っ二つに折れていて
また短い期間で環境があちこち激変したストレスもあるだろうとのこと。
ウチでは、鳩のいるトイレの前を2匹の猫がニャーニャー走っていたこともあり
素人の私が掃除のたびに体を持ち上げたりしたので、色々良くなかったのかもしれません。

幼少の頃から、怪我をした鳥を世話する機会が何度かありましたが
そのほとんどがすぐに弱って亡くなってしまったので、素人にはやっぱり難しいです。
ただ、食欲だけは旺盛で、ウチでも病院でもたくさん食べて飲んでフンもいっぱいしたので
最後におなかいっぱいにしてあげられたことだけが、ただひとつ良かったことです。



たくさん食べました(動画は会社で与えていたパン)






パニック時にいつも冷静に対応くださるKさんと
「害鳥かどうかなんて人間の勝手な分類ですから」と
命に真摯に向き合って治療を引き受けてくださった病院にとても感謝です。




by adachi_kogane | 2014-12-26 19:03 | 事件簿 | 賃貸ネコ暮らし | 足立コガネ


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