猫との生活にとりあえず必要な基礎知識

猫の飼育についてご質問いただく機会があり、とりいそぎまとめてみました。
初心者の知識ですが、なにかのご参考になりましたら幸いです。随時修正・追加予定です。



温かくて柔らかなほのぼの感と、野生を併せ持った美しい獣。

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猫飼育の基本(譲渡時に元親さんとの間で交わされるおやくそく)
・完全室内飼い、脱走防止対策
・避妊手術にかかった費用のご負担
(避妊手術は譲渡時に済んでいることが多いです)
・ペット飼育可能住宅、家族全員の承諾
・譲渡時身分証提示、契約書への署名

 (里親を装った凄惨な虐待事件が後を絶たないため、やむを得ずの対策です)
・健康管理、緊急時の連絡、年1〜2度の近況報告




猫を完全室内飼いにする理由
猫を出入り自由で飼育していたのは一昔前の話で、現在は「完全室内飼い」が鉄則です。飼い猫を外へ出す飼い方をすると、猫エイズ・猫白血病等の病気に感染したり、鳴き声やフンなどに近隣住人から苦情が来たり、喧嘩傷、交通事故、ノミ・ダニ・寄生虫を付けて帰ってくるなど、猫にも飼い主にも不幸なトラブルが数多く起こります。人慣れした飼い猫は、異常者による虐待や殺害のターゲットにもなりやすく、猫嫌いの人が勝手に保健所に連れて行って殺処分してしまうなどの事例もあります。「猫の身にそれらの不幸が起こってもいいから猫を外へ出す」という人には譲渡されないことが多いです。

「完全室内飼い」とは「庭にもベランダにも猫を出さない」ということです。近隣に重度の猫アレルギーの人が住んでいないとも限りませんし、ベランダや庭に猫を出していると「猫の毛が飛んで来る・臭いがしてくる」という苦情が来ることもあります。また、地震や台風の際にも壊れない頑丈な脱走防止柵などを屋外に設置出来るかというと、一般家庭ではかなり難しいので、ベランダや庭には猫を出さないほうが安全です。



猫を脱走させてしまったらどうなるか
猫は知らない屋外ではパニックを起こし(飼い主の姿を含め)見るもの全てにおびえ、全力で走って跳んで逃げ隠れます。(猫は人類最速クラスであるアサファ・パウエル選手やウサイン・ボルト選手を軽く越える速度で走りますので)全力で逃げる猫を追いかけて捕まえることはほぼ不可能です。
万一猫を逃がしてしまった場合は、飼い主だけの問題にとどまらず、元親さん・ボランティアさん・近隣住民を巻き込んだ一大事が、猫を捕獲出来る日まで続くことになってしまいます。
「猫がするっと出て行っちゃったけどまあいいやそのうち帰ってくるでしょう」ではすみません。

猫を脱走させてしまった時に起きること
・1分1秒でも早く、元親さんに報告。
・近所の交番・保健所・役所・清掃局・動物病院に連絡。
・近隣住民に立ち入りの許可をもらい、近所の庭やベランダに猫が潜んでいないか探す。
・ポスター・チラシを数百〜数千枚単位で刷り、周辺に貼ったりポストに投函。
・インターネットなどで広く情報拡散&問い合わせや情報提供に個別に返信。
・ボランティアさんに捕獲機を借り、周辺あちこちに置かせてもらう&毎日のチェック。
・猫が捕獲できる日まで毎晩名前を呼んで探し歩く。
脱走した猫の探し方・保護の仕方


これらの捜索活動の時は、飼い主や関係者は深夜ウロウロする不審者のように見られますし
猫嫌いの人や協力的でない人の協力を仰ぐために、各所に頭を下げて回らなければなりません。
清掃局に猫の死体が来ていないかの確認も、毎回胸が張り裂けそうに緊張するでしょうし
猫が見つからない間は、飼い主も元親さんも生きた心地のしない日々を送ることになります。
こんな恐ろしい日々になるくらいなら、完全室内飼いにして、
脱走防止策しておくことのほうがよっぽどらくなのです。




猫の脱走防止対策
猫を脱走させないように戸締まりに気をつけていても、小さなお子さんや酔っ払って帰宅した旦那様がうっかり玄関を開け放してしまったり、事情を知らないお客様や、業者さんが戸締まりに気をつけてくれなかったりと、日常生活では想定外のことが起こりますので、開ける可能性のある窓や玄関には、あらかじめ脱走防止柵を設置しておいたほうが、猫も人間も安心して暮らせます。

業者さんなどに特注すると高額になりますが、ホームセンターなどの材料を使って自作すれば、それぞれにそんなにお金もかからず、半日程度で完成してしまいます。また、一度設置すればずっと使用できますので、防止柵なしで猫が逃げないかどうか日々神経を尖らせるよりは、お休みの日などにえいや!と作ってしまったほうが、その後らくちんでリラックスした猫ライフを楽しめます。

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窓からの転落防止柵DIY       → 玄関からの脱走防止扉(開閉式)DIY

うちで作った柵については、上記リンクページをごらんください。
以下に詳しいサイトもご紹介いたします。
猫さんとの安心な生活に、なにか参考になることがありましたら幸いです。

設置するだけの市販品が出ました!!! → 猫脱走防止用パーティション キャキャ
猫の転落・脱走防止メッシュパネルセット/e-classy
脱走と脱走防止のケーススタディ集/CAT'S EYES & CAT'S HANDS
窓からの脱走対策/猫とネコとふたつの本棚





キャットフードについて
1匹〜3匹程度の頭数の飼育でしたら、ドライフードは400gや800g入りの小袋のものを購入したほうがいいです。一度開封したフードはどんどん酸化して行きますので、2kgや3kgの大袋を買ってしまうと、猫さんの消費スピードがフードの酸化のスピードに間に合わず、残っているフードがどんどん危険なフードになって行ってしまいますので、一般のご家庭用には小袋がおすすめです。(大量のポテトチップスを開封したまま、2ヶ月〜3ヶ月かかって食べると考えた時に、最期のほうのポテトチップスがどんな味になるか想像いただくとわかりやすいかと思います)


キャットフードの分類的なもの

オーガニックやプレミアム、ミドルクラスなどキャットフードの比較や大まかな分類については、
私個人の中では大ざっぱにこのような感じかなーと捉えております。(個人の勝手な分類です)
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キャットフードのパッケージや、フードのサイトの文言だけを見ていると
全部が全部「栄養たっぷり・理想的なおいしさ・健康に配慮」と謳っているので
どれが良いのか右往左往してしまいますが、パッケージ裏面に小さく書いてある
原材料の欄の内容を見ると「本当のところ」はどうなのかがだいたい判断できます。
より詳しいことが知りたいかたは、キャットフードの実態についてとても詳しい記述のある
猫logy Life【愛猫のためのお元気手帳】さんのサイトをご参照ください。
フードの原材料と保存料/猫logy Life【愛猫のためのお元気手帳】




一般的なキャットフードの中で比較的良いもの

常時100〜200匹の保護猫を抱えているシェルターさんで、メインフードに使われていたり
比較的安心して受け取れるというドライフードを教えていただきました。

やはりミドルクラスのものが中心になってしまいますが、これらの銘柄は
少し大きなスーパーなどではよく置いてあるものですので購入に便利です。
ね◯元気や、フ◯スキーはおすすめできません。

その他、当方で購入している銘柄につきましてはこちらをご覧ください。
キャットフードレポート




そのほか気をつけること

猫は排泄はトイレでしますが、ゲロは部屋中どこにでも吐きます。

a0233917_118214.jpg特に布もの(ソファや布団など)にゲロされると片付けが面倒なこともあります。お布団にゲロされた場合にも「あーやっちゃったかー仕方ないなー」と淡々と丸洗いに出せる精神力が必要です。
「ソファやお布団にゲロされるのはどうしても嫌」と、強い嫌悪感をお感じになる場合は、猫の飼育はおすすめできません。
うちではゲロを見越して、ソファやマットには洗濯しやすいようにカバーをかけ、程度の軽いものは消臭剤をスプレーして拭き取ったり、お布団の場合は宅配でクリーニング業者さんに丸洗いに出しています。丸洗いはダニ対策も兼ねられるので、今では猫にゲロされることがなくてもほぼ毎年お願いしています。



猫は夜行性なので、夜中に家中を走り回り、気に入った場所で爪とぎをします。

a0233917_293614.jpg真空行動(夜の大運動会)や爪とぎは猫の本能なのでやめさせることはできません。飼い主に出来るのは騒音対策 や、こまめな爪切りなどの対処策しかありません。「夜中に暴れられるのは困る」「棚の置物を落とされたり、壁や家具で爪とぎされるのは困る」という場合は、敏捷にあちこちにジャンプする性質の猫よりも、ハムスターやモルモットなどの大人しい動物をおすすめいたします。
(一部の非人道的な方法として、猫の全ての爪を指先ごと切断するような悲惨な手術もあるそうですが、人間都合の虐待に近く、猫は術後のあまりの苦痛に気が狂ったように叫んで怯え、性格が激変してしまう個体も多く、施術した飼い主は「こんな手術やるんじゃなかった」と軒並み後悔されておられるようです。)
→ 人道的な、猫の騒音対策



子猫よりも成猫のほうが落ち着いていて飼いやすいことも。
子猫は体が小さいので、一見扱いやすいように見えますが、実は底なしの爆発的パワーを持っていますので、譲渡後に始まる毎夜のハイテンションの暴れっぷりに、「こんなはずじゃなかった」と絶句してしまうこともあるようです。好奇心旺盛な時期なので、イタズラや誤飲にも成猫以上の注意を払う必要があり、病気への抵抗力も弱く、性格が定着していないため、対応に右往左往してしまう面もあります。
一方成猫は子猫に比べて人気がないそうですが、体がしっかりとしていて、性格も見極めやすく、子猫の時よりもゆったりと落ち着いている個体が多いので、猫飼い初心者の人ほど成猫のほうが飼いやすいという面もあります。



人間の食べ物を与えてはいけません。
・牛乳に含まれる乳糖は下痢の原因です。子猫に与えるものも猫用のミルクを選びましょう。
・タマネギは中毒を起こします。ハンバーグやスープなどに混ざっていると食べてしまいます。注意しましょう。
・イカ、アワビを食べると激しい下痢や皮膚炎を起こします。
・味のついた食べ物は肝臓・腎臓病の原因です。猫は人よりも肝臓・腎臓が弱いので気をつけましょう。
その他、人間の食べ物の中には猫に与えてはいけないものが多いので、ご自身で検索等されて判断できるようになるまでは、キャットフードや猫用のおやつのみを与えられたほうが安全です。



観葉植物や花は猫の手の届かない場所に。
猫は(シソ科、イネ科以外の)植物を食べると中毒症状を起こすことがあります。なかでもユリやスズラン、チューリップなどは、猫にとって猛毒で、葉を1枚食べただけ、体についた花粉をなめただけ、花瓶の水を飲んだだけでも死亡に至る個体もあるとのことで、いただく花束などでも要注意の植物です。猫の耐性には個体差もあり、どの植物が危険なのかも諸説ありますが、猫を入れる部屋には観葉植物や生花を置かないようにしたほうが安全です。うちでも猫を飼うと決めた時に観葉植物は全て自宅から出し、部屋には猫草と造花しか置かないようにしました。
猫にとって危険な植物/猫とネコとふたつの本棚




本当は、何が起きても乗り越えられる。

思わずはっとしたボランティアさんの言葉です。
飼い主が腹をくくれば、すべて越えられる。

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猫医者に訊けで、猫の先生もこう言っています。

ネコと暮らす楽しみの一つは
予想外の事態が起こること。
問題を解決することを
醍醐味として捉えてみよう。


「猫医者に訊け」鈴木真著/くるねこ大和画 より







by adachi_kogane | 2011-08-20 01:00 | 猫の室内飼いの工夫 | 賃貸ネコ暮らし | 足立コガネ


困り顔の猫キューと超ポンコ 身近なもので工夫する古い賃貸住宅の猫暮らし


猫の室内飼いの工夫
身近なものを利用した猫設備や
防音・騒音対策など


手作り・DIY
女性1人で完成できる
簡単でやさしいDIY


猫の地震対策
1人暮らしの飼い主と猫のための
地震・災害・停電対策


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先住猫と新入り猫の合流の記録


工事の騒音から猫を守る工夫

登場猫困り顔のネコキュー メス こわがりでおとなしい性格ながらも、おもちゃやねこじゃらしには大興奮。
びっくりキュー トトロ猫

ポンコちゃん メス 福島県浪江町で震災約1年後に保護された被災猫。我慢強いジャングルガール。
ぽんことたべもの ハッスル

保護時8~10歳 メス、2011年6月永眠。カゴでお昼寝が好き。何事にも動じない強い猫でした。

保護時生後約3週間 メス、公園で行き倒れ、保護した当日にNさん宅の子になれた運の強い子猫です。

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